“旅を通して、循環を学ぶ。”
2024年夏、海士町で新しい学びの旅がはじまりました。その名も
「GREEN ACADEMY」
島を舞台に、循環型社会の実践を体験しながら学ぶツーリズム型研修プログラムです。
企画・運営は、隠岐サーキュラーデザインラボ(CDL)
地域の事業者や高校生、行政、そして全国から集まった参加者が、
“ないものはない”の島で、循環のリアルを体感しました。
(協力:島のホテル Entô / ふるさと島根定住財団 ほか)

島に降り立ち、視点を変える
旅のはじまりは、海士町・中ノ島にあるコミュニティ施設「あまマーレ」から。移住者・地域住民の交流拠点として活用されてきたこの場所では、島内の“不要となったもの”が再び“暮らしの一部”として循環されていく風景に出会いました。
例えば、島の古道具屋では「捨てる/買う」という関係だけでなく、「使っていた人の想い」「次に使う人とのつながり」が感じられ、島らしい循環の場として印象に残りました。
また、町のキャッチコピー「ないものはない」が示すように、この島の暮らしは“あるものを活かす”視点でデザインされており、旅を通じてその意識が参加者の中にも少しずつ芽吹いていきました。



観光”土と海、人をつなぐ循環を体感
後半には、島ならではの生き方・循環の仕組みに触れるプログラムが続きました。
- 放牧型酪農を実践する「株式会社まきはた」での視察。山間の傾斜地を生かし、牛を自然に近いかたちで育てる「牧畑農法」によって、土壌を再生し、地域の循環をつくる取り組みを体験しました。
- 島の海岸「明屋海岸」でのビーチクリーン。漂着ゴミを拾いながら、「ごみを減らす」「廃棄を出さない」という循環経済の原則を、地域の自然・文化と結びつけて感じる時間となりました。
- 町営住宅の外構デザイン視察。島での暮らし・建築・土中環境・雨水の浸透といった「目に見えない自然の循環」にまで配慮した住まいづくり。瓦チップ、ウッドチップ、バイオネストなどを用い、“暮らしの場そのもの”に循環の仕組みが組み込まれていました。



対話から生まれる「想い」の循環
プログラムの締めくくりには、島民・移住者・参加者が混じり合い、自分自身・島・循環について語り合う「循環会議」が開かれました。旅の体験だけで終わらず、想いを共有し、地域と自分の関係を見つめ直す時間として設けられました。 Livhub
この場を通じて、多くの参加者が“ものの循環”と“想いの循環”が不可分であることに気付いたようです。島という閉じられた(しかし豊かな)空間だからこそ見えてくる、人と人、過去と未来、土地と暮らしの繋がり。



参加者の声
「循環を“制度”ではなく“暮らし”として感じられた。」
「離島だからできることではなく、離島から“見える”ことがあった。」
「地域との関係づくりが一番の学びだった。」
短い滞在の中で、
「循環」と「関係性」のどちらも大切にする視点が生まれていました。
私たち隠岐サーキュラーデザインラボが描くこれから
私たちは、「循環経済=単なる資源効率化」ではなく、「地域の暮らし・文化・自然とともにめぐる循環」を大切にしています。Green Academyでの旅は、参加者自身がその循環の一部になり、島と時間を共有し、問いを持ち帰るプロセスでした。
これからも海士町を拠点に、ふだん気づきにくい“地域の循環”をともに体験し、地域とともに学び、共に創るプログラムを展開してまいります。全国・世界の地域へと、この視点を広げていきたいと考えています。




開催概要
- 名称:サーキュラーツーリズム研修プログラム「GREEN ACADEMY」
- 実施期間:2024年夏
- 会場:島根県隠岐郡海士町全域
- 主催:隠岐サーキュラーデザインラボ(CDL)/海士町役場
- 協力:ホテル Entô/地域事業者・教育機関
- 対象:企業・自治体職員・教育関係者・学生など
- 内容:現地フィールドワーク、対話セッション、ワークショップ
